牛の飼育が北海道・東北の北日本・高原地帯に多い理由

乳牛のお話記事一覧

皆様のよくご存知の牛。筆者も最近まで、乳牛の飼育業務に就いていたので、牛には格別な想いがあることは否めませんが、世界史上、これ程長く、我々人間の食生活を豊かにしてくれている家畜はいないのではないでしょうか。朝に飲む牛乳、その牛乳から造られるチーズ・バター・アイスクリームなどの加工乳製品、そして肉加工食品。牛たちは実に沢山の恩恵を我々に与えてくれいます。また食生活以外にも、古来では、自動車などの動力...

牛の胃袋と個数「牛の胃袋は4つある」とお聞きになられた方やご存知な方は沢山いらっしゃると思います。そこで早速ですが、牛の胃袋の呼称は以下の通りとなり、牛の全体重の約15%も占める重量を誇っています。1.第一胃(ルーメン):酪農界では、ルーメンが通称です。なんとその大きさ、約150リットル(一般家庭用浴槽の満量)にも相当する大容量を誇り、胃袋の80%の規模を占めています。もはや貯蔵庫の規模です。牛が...

皆様、牛が飼育されている牧場や広場をイメージされると、「涼しい高原」「雄大な大地を有する北海道」や「マイナスイオンたっぷりの環境」を思い浮かばれる方が、大勢いらっしゃるのではないでしょうか。勿論、平野部や都市郊外でも牛を飼育されていますが、ほんの一部であるのが現状でございます。下記に、都道府県別乳牛飼育頭数ランキングベスト10を挙げてみました。都道府県別乳牛飼育頭数ランキングベスト10全国 1,3...

乳牛はいつも何を食べているのか? 毎日365日、我々人間に飲料乳をはじめチーズ・バター・アイスクリームなどの加工乳製品の原料となる生乳(通称:牛乳)を提供してくれている乳牛さんたち。そんな乳牛たちは、「毎日一体何を食べているのか?」という事が、皆様気になったことはございませんか? 乳牛は、皆様ご存知の様に、草食動物なので「牧草」を主食としています。しばしばテレビなどで、牧場に放牧されて呑気に場内に...

 乳牛が飼育されいる第一の目的は、文字通り『多量の生乳(牛乳)』を得るためです。食肉用を得るのを第一目的として飼育されているのではありません。確かに、乳牛(主にホルスタイン)から産出されるの生肉も、牛肉生産量が少ない日本では貴重な役割を担っていますが、飽くまでも副産物としての役割です。 明治時代から本格的に乳牛飼育(牛乳生産)が開始されて以来、ホルスタイン種をはじめとする乳牛は、乳質の良い多量の生...

 皆様、牛の口の中・歯並びをご覧になられたことはございますか?筆者の勝手な予想ですが、一般の方々では、ご覧になられた方は少ないのではないでしょうか。牛の歯並び構造の最大の特徴は、『上顎の門歯(前歯)がないことです』。  下の画像をご覧下さい。 如何でしょう?申した如く、上の門歯がありません!その代わりに、強靭な顎骨を持っており、上顎口腔内には少し出っ張りがあり、飼料を食べる際、下顎の門歯と上手く噛...

 前回の記事「牛乳ができるまで」でも少し述べており、重複して恐れ入りますが、母牛が仔牛を産まなければ牛乳は出ません。拠って乳牛が生きてゆくには、仔牛を産むことが絶対不可欠条件であります。その条件を達成して、漸く乳牛として生き続けることが出来るのです。もし条件クリア出来ない乳牛は、早々に食肉出荷される道しか残っていません。非常に生々しく厳しい世界であることを実感せざるおえないですが、これが乳牛(経済...

 皆様ご存知の様に、お勤めをされている女性の方々が妊娠・出産を控えた際には、『産休』『育児休暇』があります。少し本題より逸れますが、先年より、筆者がおせわになっている先輩の奥様が産休および育児休暇に入っておられ、日々ご夫婦で育児奮闘されてますが、休暇を利用しなければいけない程、女性の皆様には、妊娠→出産→育児が大変だということが今更ながら実感します。 そこで、今記事表題の『乳牛にも産休はあるのか?...

この世にいる全ての動植物、生きている限り、大小種類を問わず必ず病気になったりします。それは乳牛も例外ではありません。今記事では、乳牛の病気を少し紹介してゆきたいと思っています。『乳房炎』とは何か? 人でも子供を出産して、泌乳期間のお母様方が罹る乳腺炎とほぼ同様な病気で、乳牛の場合は乳房炎と呼ばれています。文字通り、乳房内に細菌などが侵入し炎症が起こり、主な症状としては、乳房が腫れ、搾った牛乳が悪質...

 乳牛に使う道具の第一位を答えよ、と言われれば、筆者は『ミルカー』と答えます。これで毎日牛乳を搾ります。ミルカー無しでは、搾乳作業を出来なくなり、一日も酪農業が勤まりません。乳牛は4つの乳頭があり、それらから牛乳を搾りますが、乳量が少ない乳牛でも1日最低10kg以上は出ます(朝乳量約5kg/夕乳量約5kg)。これ程の量を手搾りでは、到底無理です。昔の搾乳は、勿論手搾りでやっていましたが、古来の乳牛...

 今更ですが皆様が日々飲食する牛乳は乳牛から供出されています。乳牛を牛乳製造工場に例えるならば、その最重要中心機関が『乳房』です。今回は乳房について掘り下げて紹介してゆきたいと思います。 乳牛の乳房と乳頭が4つあり、同じ乳房であっても各々独立しております。乳房内で牛乳が造られ貯められ、乳頭から牛乳が出る仕組みです。何度も申し上げておりますが、牛乳は『乳牛の血液』です。大量の血液は心臓が噴出ポンプ役...

 毎日多量の牛乳を生産している乳牛を見ていると、大きな乳房と乳頭に注目が集まりますが、実はそれだけで牛乳を造っているのではなく、同時に、乳牛の体内では、牛乳を生産するために目に見えない所で、様々な臓器が大活躍しています。 心臓・肝臓・腎臓・筋肉・脂肪組織・骨、更にホルモンを分泌する内分泌器官など、全ての臓器が牛乳生産のために絶えず働いており、牛乳生産は、正に『乳牛の総力を結集した一大作品』なのです...

 乳牛は舎内で拘留して飼育されている「つなぎ飼い方式」しても「フリーストール形式(搾乳と飼料給餌時以外は、放牧場や舎内で放し飼いされいる方式)」でも、知り合いの乳牛達が集まって団体を構成しています。この様に複数の乳牛が集まれば『乳牛社会』を構成し、その中では、乳牛社会を束ねるリーダー乳牛が必ず登場し、他の乳牛達の引率などを行います。中には世話好きなリーダーが存在します。 牛群(乳牛団体)が放牧地へ...

 酪農家さんが出来る乳牛の健康管理は、『日々日常の観察』の一言に尽きます。そして、この日常的な観察は乳牛を飼育している酪農家さんにしか出来ません。その観察の重要点としては、活力・糞尿状態・毛づや状態などがありますが、中でも一番重要なのは『食欲と採食量』の観察です。飼料採食量は乳牛の健康状態が正常であれば一定ですので、それに変化がある場合は何か問題があるという事なので、人間と言葉を使って会話を出来な...

 『整形手術』という大仰な言葉を使ってしまいましたが、何も手術室に乳牛を連行し、眩しい灯の下、メス(手術刀)やレーザーを利用したりはしません。人間の整形手術の場合、外見の改善を主目的として行われますが、乳牛の衛生目的や安全目的の為に、整形を少し行ったりしています。俗な言い方をすれば「乳牛のプチ整形」であります。 乳牛の整形箇所として、主に挙げられるのは、角・乳頭・尻尾の3箇所であり、それぞれの目的...

 山田洋次監督の名作・男はつらいよシリーズの1作品の中で、『知床慕情(第38作目)』という北海道を舞台した映画がありますが、その中で三船敏郎氏が演じる初老獣医師・上野順吉が登場します。彼は寄る年波に苦闘し、必死に牛の分娩介助をこなした後、主人公の寅さん(演:渥美清氏)に介抱されつつ、『医者(獣医)ってのは、大変だな。注射や聴診器だけ扱っているのかと思ったが、どんだ重労働だな』というコミカルタッチに...

 『獣医師とは、人間以外の動物を診療する医師である』という事を前回申し上げましたが、今回はその獣医師、牛などを診療する産業獣医師が普段の診察や治療に利用する道具の一部を、「7つの道具」と冠し紹介してゆきたいと思います。以下の紹介の中の一部では、我々が病院に行った際に直に見たことがある道具、あるいは医療ドラマなどのテレビ番組などで間接的に見た物も登場してきますが、その一方、獣医師しか使わない道具もあ...

 「乳用牛群検定」とは何とも大仰な名前でありますが、酪農経営をやってゆく上では、大切な仕組みの1つとなっています。一般社団法人中央酪農会議の公式HP内のことば辞典(酪農専門用語紹介欄)に牛群検定の説明欄があり、解り易く説明されていますので、以下の如く転用させて頂きました。 「牛群検定とは、検定参加農家が飼養している経産牛の全頭について、日々発生している極めて多くのデータの中から『乳量、乳成分、体細...

 広大な国土を持つ米国や豪国は、多種多頭の肉用牛を国内で飼う事ができるのに比べ、国土狭い日本ではそれも叶いません。現在では牛肉有名ブランドの松坂(三重)・神戸・但馬(兵庫)・飛騨(岐阜)の和牛が』有名ですが、国内の全牛肉生産量では、ごく一部に過ぎません。 近代酪農が我が国で始まったとされる明治時代初期は、当時牛乳生産のみに優れた良ホルスタイン種より、良質な牛乳と牛肉が両方を生産可能な英国原産の乳肉...

 以前に乳牛のライフサイクル(誕生から分娩)の記事を執筆させて頂きましたが、今回はより細かく焦点を当てて、「乳牛の1日の過ごし方」について紹介してゆきたいと思います。@乳牛の睡眠:我々人間の平均睡眠時間は7時間〜9時間と言われていますが、乳牛の平均睡眠時間は約3時間程度となっています。「食べた後に直ぐに寝ると牛になる」という慣用句がある通り、いつも食後に直ぐ熟睡ているイメージがある乳牛ですが、睡眠...

 人間の医療界でも「検便検査」があり、入院中にも毎朝お通じ(排泄)回数を看護師さん達が患者さんに質問する事を例にとってわかる様に、毎日出る排泄物から健康状態を確認しますが、乳牛の排便からも、その健康状態を確認する方法が採られています。寧ろ言語を通じて意思疎通が出来ない乳牛の排便チェックは、重要かつ安易な健康診断方法の1つとなります。 乳牛の排便指標は、「スコア(段階)1〜5」が設けられており、これ...

 「乳質」とは文字通りですが、『牛乳の品質』の事を意味します。搾られた生乳(牛乳)は、その搾られた基本取引乳価額(平均額約100円〜110円)と乳質の良し悪しによって取引乳価が決定しますので、牛乳を搾る酪農家(生産者)さんにとって生乳質の向上および配慮は、酪農経営にとっては重要になります。 一言に乳質と述べても2つに分類されますが、それらは以下の通りです。@成分的乳質:市販されている紙パック飲料乳...

 「漢方医学」は、漢という字が入っている通り『中国医学を基に日本で発展した伝統医学』であり、陰陽五行・経穴・経路といった中国思想から派生した『三陰三陽六気』という理論を基盤として、漢方薬・指圧・鍼灸を行う医療体系となっています。5・6世紀頃に中国・朝鮮を経て日本に伝来して以来、其々の時代の最新の漢方医学が僧医によって導入・洗練され、16世紀末の室町時代には発展、庶民の間で普及していきました。 漢方...

 牛は種類によって重さは違いますが、体重400kg以上を超える周知の通り巨体です。その牛が、病気などで起立不可になり地面に座り込んだ状態が続くと、巨体が却って仇となり、後肢が身体に圧迫され続け、肢の筋肉と神経が麻痺状態となり、この状態が改善しないと、遂には後肢が壊死してまいます。こうなれば最早お手上げ状態です。 筆者は、旧職場で特に乳牛の飼育に従事しておりましたので、起立不可となる重度な病気・ダウ...

 江戸末期に刊行された牛の医療ハンドブック『牛書』の第16番に『ツクヒ(つぐい)』という、現代人の我々には全く聞き覚えのない牛の病気名が登場してきます。そのツクヒの症状はどの様なものか?と読んでみると、『この病気は意識があるのに脚が萎えて立てない。冷えが筋肉にとりつく病気である。(此病、気心よくすネたたず、ひゑ・すじけのわずらいなり)』と、ただ簡潔に書いてまります。そうです、ここでも第5番『痿越(...

 前の記事で、「乳質」について紹介させて頂きましたが、今回はその『優れた乳質が備えるべき条件』について紹介させて頂きたいと思います。生乳をベースに製造される乳飲料、チーズやアイスクリームなどの乳加工製品も我々人間の食物の一種ですので、日々牛乳を搾っている生産者(酪農家)は、良質な必要条件を兼ね備えた乳を生産出荷する事が義務となっており、それを遵守できない酪農家は失格となってしまいます。この事は、稲...

 牛乳には本来、多くの乳成分と水分が絶妙に調和されていて、独特の甘味・旨味がある上、栄養分たっぷりの食品として、多くの人々に日々愛飲されています。しかし生乳内の脂肪分や体細胞数が、乳牛の体調や牛舎環境によって異変し、乳成分の調和が乱れた場合に、酸味などがある『生乳の異常風味』が発生します。 生乳の異常風味の主因として2つありますが、1つ目は乳汁を搾る以前、つまり牛の乳房内で既に乳(乳成分)が、給餌...

 「漢方医学」と聞いて、(漢方医学の素人の)筆者が真っ先に思い浮かべるのが、「漢方薬」ですが、その次を挙げるのなら、今記事の表題である「鍼灸(しんきゅう)治療」でしょうか。鍼灸治療は、古代中国(紀元前春秋期)には既に誕生しており、以来、中国や日本を含めるアジア諸国内では、生薬を用いる「生薬医療」と双璧を成す、漢方医学となってきました。 この読み方が難しい療法を見る度に、筆者は、池波正太郎氏の代表作...

 数ヶ月前、筆者が執筆させて頂いている拙い記事の編集・掲載といった諸々手間がかかる作業をいつも担当して下さるIさんから、『最近、酪農・乳牛関連記事の執筆が少ないのではないか?』という貴重なご指摘を頂戴しました。いや全くIさんの仰る通りであります。  筆者が、この「酪農と歴史」を主題に様々な関連記事を執筆させて頂いて丁度1年が過ぎましたが、最近はどうも、(Iさんのご指摘にあった)主題の芯であるべき「...

 先日、筆者の野暮用で、「住民票」と「戸籍謄本」が必要となり、役所へ行きました。かなり以前、あるバラエティトーク番組を見ていた時に、現在でも歌手や相撲評論家としてご活躍されているマルチタレント・デーモン閣下がご出演しており、『吾輩も、世の仮の姿(つまりノーメーク状態、素の姿)になって、役所へ行き、住民票を取りに行くこともあるよ。でないと、生活できないもの!』と発言し、周囲の爆笑を誘っている場面があ...

 ホルスタイン種は、他の乳用牛よりも、優れた産出乳量を誇っていますので、日本を含めるアジア諸国をはじめ、欧米諸国・南米・オセニアといった世界各国で最も飼育されている乳牛であり、正に『乳牛の女王』(筆者が勝手に呼称)に相応しい乳牛です。 主な酪農国で飼育されている乳用牛の内、ホルスタイン種が占めている飼育割合ですが、原産国とされるオランダで約76%、フランス約80%、スイス24%、英国約58%、米国...

 前回の記事(乳牛が患う病気)で、乳房炎・起立不可・食欲不振(食滞)の3つの乳牛疾病を紹介させて頂きましたが、今回はそれ以外にも存在する乳牛を脅かす疾病「伝染病」について紹介させて頂きます。 人間の世界にも生命を脅かす恐ろしい伝染病(結核など)がありますが、乳牛を含める家畜全般にも勿論、数多くの恐ろしい伝染病が存在しています。家畜動物の伝染病は、家畜伝染予防法(昭和26年に制定)に基づき、「2つ」...

 前回の記事「乳牛にも原戸籍と住民票がある」内で、牛個体の「戸籍は血統登録書」に相当し、住民票に類似するのは10桁の数字から成る「個体識別番号」であると紹介させて頂きました。今記事では、その個体識別番号を基盤としている牛に関する個体および流通情報管理の特別措置法、『牛トレーサビリティ法』について少し紹介させて頂きたいと思っております。 トレーサビリティを英訳すると「traceability」となり...

 以前執筆致しました「乳牛を脅かす伝染病とは?」という記事で、乳牛(家畜動物)が罹患する伝染症には、『家畜伝染病』『届出伝染病』の2つがあり、それらを併せて「監視伝染病」と呼称されるという事や、伝染病から家畜動物を護るための家畜伝染予防法について、少し紹介させて頂きました。 上記の内容に続編であり、月並みの内容になって恐縮なのですが、今回の記事では、主な「家畜伝染病・届出伝染病の両病名」と「それら...

 先の記事まで、乳牛など家畜動物に罹患する伝染病のごく一部を紹介させて頂きましたが、今記事では、人にも感染する可能性がある家畜伝染病と届出伝染病の一部を紹介させて頂きたいと思います。決して家畜動物のみを脅かす病気のみではなく、人間にも脅威を与える恐ろしい感染症もあるのです。@狂犬病(rabies 「家畜伝染病」) あまりにも有名な伝染病であり、犬を飼っている方々には、飼い犬に対して義務付けられてい...

 大柄で若干威圧感が否めない白黒斑の乳牛・ホルスタイン種(オランダ原産)に対して、小柄で愛着のある濃褐色のジャージ種は、英仏海峡にあるチャンネル諸島の中の英国領・ジャージー島が原産地となっています。 優秀な産出乳量を誇るホルスタイン種ほどではないですが、優秀な乳質(乳脂肪・タンパク質含有率)を誇るジャージー種も世界各地で飼育されており、バターやチーズの乳製品を多く生産しているデンマーク・ニュージー...

 人類が牛から乳を搾り、それを食用・薬用・(神仏への)供え物などの目的で利用していた歴史は相当古く、紀元前に栄えた世界4大文明に数えられる「古代メソポタミア文明」「古代エジプト文明」には既に、搾乳作業は存在していました。 メソポタミア文明期(紀元前3000年頃)の乳搾り作業方法は、人が牛の後側に回って行っていた事が伝わっていますが、この搾乳方法は搾っている人には危険であり、牛の強靭な後肢で蹴り倒さ...

酪農に従事する人達は、毎日2回、決められた時間に搾乳を行い、その作業時には牛乳を搾る機械・『ミルカー(搾乳機)』が必需品となっています。現在の酪農業ではミルカー絶対必要不可欠な機械となっています。ミルカーの形式や構造などについては、別記事「酪農に使われる道具とは」で既に紹介させて頂いておりますので、今記事では、(表題の通り)、ミルカーの歴史や進化を少し紹介させて頂きたいと思います。 別記事「搾乳作...

 酪農史の中において、古代〜中世まで、搾り手がわざわざ放牧場へ出向き、手搾りで乳牛から乳を搾っていた事を思えば、19世紀後半に考案された「ミルカー(真空式搾乳機)」の登場は、明らかに大きな革新であり、その後の酪農史に大きな影響を与えた事は間違いありません。そして、そのミルカーが考案された直後に、牛舎内で?養されている多数の乳牛からミルカーを利用し、搾乳を可能にしたシステム『パイプライン搾乳』が誕生...

 前回の記事では、現在でも主流の搾乳方法となっている「パイプライン搾乳」について紹介させて頂きましたが、今回の記事では、『別タイプの搾乳方法』について少し紹介させて頂きたいと思います。早速結論から記述させて頂くと、その別タイプの搾乳方法は『ミルキングパーラー』・『ロボット搾乳』の2種類に分類されます。ミルキングパーラー・ロボット搾乳ともに、繋ぎ飼いされていない乳牛が自由に歩き回れるスペースがある牛...