酪農のお話記事一覧

 現在の小中学校の課外(特別)授業では、修学旅行や会社見学・職場体験授業、引いては夏休みなどの長期休暇を利用して行われる林間学校などが著名ですが、皆様は、前記の課外授業以外にも『酪農教育ファーム』というものがあるのはご存知でしょうか?名前をご覧になれば想像が付くと思いますが、一言で述べますと「小学生の皆さんが牧場へ行って、乳牛の世話や乳しぼり・バター作りなどの体験学習をしてもらい、食といのちの事を...

 筆者も以前から「牛乳の日本史(日本に導入時期や古代の人々に飲まれていた頻度など)」に興味があったので、今回は牛乳の歴史について、書いてゆきたいと思っています。出鼻から「牛乳の日本史を語る」とか偉そうで大それたことを書いた自分ですが、実はつい最近まで〜牛乳の歴史を調べ始める前まで〜、「日本人に牛乳が飲まれ始めたのは明治・大正時代からであり、江戸時代から以前の人達は全く牛乳という飲み物を知らずに、絶...

 天皇・貴族・宗教勢力が強い勢力を誇った奈良時代〜平安時代中期は、薬物・献上品・供物品として、牛乳(酥)が珍重され、関西〜関東地方の官営牧場にて乳牛が大いに飼育されました。しかし、やがて時代の担い手として勃興し、東日本に独立政権(鎌倉幕府)を創る武士団には、乳牛や牛乳は重宝されませんでした。 最大の理由としては、武士達が『乗用馬の飼育』に重点が挙げられます。戦に必要な『軍馬生産』です。武家が嗜む武...

 歴史小説家・司馬遼太郎氏の名著の1つであり、明治維新後、各国列強の侵略から我が身を護るために、政治・産業・軍事あらゆる分野の近代化(坂の上にある白い雲)を目指し、奮励努力し、遂には日露戦争で西欧大国の1つであるロシア帝国を破り、確固たる東洋の独立国家になるまでの小国・日本と日本人の群像劇を描いた小説・「坂の上の雲」。 司馬先生はその小説のあとがきで、明治維新から日露戦争までの日本の事を以下の様に...

近年では、漫画家の荒川弘さん原作『銀の匙(小学館)』の人気が嚆矢となり、一般の方々の中にも酪農経営を興味を持たれ始めている感がありますが、そもそも酪農経営とは何か?元来、酪農経営は乳牛を飼育し、牛乳を生産する事で成り立っています。生物相手の商売である上、毎日2回の搾乳作業は必須であり、『年牛無休365日が営業日』が酪農経営の最大特徴であり、他の自営産業とは明らかに違う点です。しかも、特殊産業である...

 人類が地上に誕生し、彼らが狩猟生活を経て、牛や馬・羊などの動物を家畜化に成功して以来、牛や馬は人類と共に生きてきました。更に時代が下り、人々は一つの土地に定住する事を覚え、互いに集って村や街を造り、更には社会・国・文化、そして文明を創り上げてきました。この様に、どんなに人類の文明が発達しても牛や馬などの家畜動物は、いつでも食料・衣料・労力といった物量面でも、我々人間が生きてゆくために大きな力とな...

 農業の元来の目的は、普段私たちが食べている食物や農産物を生産する事にあります。これは皆様でもよくご存知な事であります。しかし、近年では先進国の間では、農業やその産業が営まれる農村地帯をただの食糧生産地のみの位置づけではなく、『自然資源の育成保護』・『景観の発展』・『生活に安らぎを与える癒しの場(精神の拠り所)』としての多面的機能を有する場所として見直されています。 上記の好例として、我が国日本で...

 今記事では、明治時代を起点とし、現在でも連綿と受け継がれている日本近代酪農に貢献した偉人を『日本近代酪農に貢献した偉人』というシリーズ化として紹介させて頂きたいと思います。勿論、日本酪農の発展に貢献した偉人は日本史上、数多に存在しており、その方々全部を紹介してゆく事は、流石に不可能でありますので、今記事では、筆者が思う4人の偉人に焦点を当てて紹介してゆきます。2人は米国人でお雇い外国人教師、残り...

 前回は日本近代酪農に貢献した外国人として、『少年よ、大志を抱け』のフレーズで有名なウイリアム・クラークを紹介させて頂きましたが、今回はエドウィン・ダン(1843〜1931)という人物が今記事の主人公となります。 「日本における馬の去勢史」という記事内でも、日本に馬の去勢技術を導入し近代競馬(馬術)会にも大きな影響を与えた人物として少し取り上げさせて頂きました。彼は、先述のクラーク博士よりは日本国...

 今回の記事は『日本近代酪農に貢献した2人の日本軍人』の紹介になります。「何で近代酪農と軍人が関係ある?こじ付けではないのか?」とお思いになられる方がいらしゃるかもしれませんが、決してこじ付けではございません。これから紹介させて頂く2人の軍人は、当時の日本の現状や将来を見据え、陰日向となり日本近代酪農の発展に少なからず貢献した方々であります。その人物達とは、陸軍軍人であり「日本騎兵の父」と称せられ...

 昨今、世間では「食の安全」が大いに着目され、農産物でも、農薬・化学肥料の利用を抑え、動物の糞尿から成る堆肥や植物など利用した草肥などで農地土壌をより活性化させ農産物を栽培する『有機農法(別名:環境保全型農業)』が盛んになっています。 一言で有機農法と言っても、農薬を全く使用しない「無農薬栽培」、最低限のみの農薬を利用し栽培する「減農薬栽培」と区別され、施肥方法でもいつかの種類があります。しかし、...

 今記事では、一般の方々でも牛・馬・羊に触れ合える群馬県の体験型観光牧場・伊香保グリーン牧場さんで、昨年(2016年)、問題が取り沙汰された「乳搾り体験乳牛の死亡事故」について筆者の愚見を述べさせて頂きたいと思っています。 これまで執筆させて頂いた記事内容(酪農の紹介・その歴史)と一線を劃し、現在の「インターネット社会の負の部分」や「動物愛護関連」といった現社会でもデリケートな問題も少し触れさせて...

皆様よくご存知のように、「牛乳」は生鮮食品の一種ですので、腐敗し易いので、勿論ジャガイモなどように常温で長期保存が出来ませし、冷蔵施設(バルククーラーや冷蔵庫)などで保存していても、保存できる日数も限られてしまいます。よって、冷蔵保存など優れた保存技術を持たない、紀元前など大古の人々が牛乳が欲しい場合は、『牛から欲しい分だけ搾って消費する』という小規模な形態でした。 別の方法で、牛乳を保存する場合...

現在、我々が普段何気なくお店や配達で買っている牛乳ですが、それが詰め込まれている「容器の経緯や歴史」について気になった事はございませんか?筆者の無駄な知識欲?というよりで悪癖の一種となりつつあると過言ではない「物事の経緯(歴史)を知りたくなる癖」で、以前は自分なりの牛乳史記事を執筆させて頂きましたが、今回は我が国の牛乳の容器の経緯について簡単に書いてみたくなり、今現在その最中でございます。「牛乳の...

我々が普段から飲食している牛乳。当然、『殺菌』および加工措置が施されています。今更ですが、牛乳は何故殺菌処理されるのか?という単純な事を自問自答すると、それは『全ての病原菌の死滅と、多くの腐敗・変敗菌の死滅あるいは菌数減少』を目的としているからであります。皆様ご存知な事は至極当然であり、ちゃんと法令にも以下の通り定められています。 牛乳(生乳)を飲食目的で消費する場合は、特別牛乳を除き、乳を食品衛...